クレステッドゲッコーの生態や飼育方法について

クレステッドゲッコー、別名オウカンミカドヤモリは、愛らしい外見と穏やかな性格、飼育のしやすさから、幅広い層から人気急上昇中のペット爬虫類です。

「クレス」の愛称で親しまれています。

クレステッドゲッコーとは

生息地はどこ?

クレステッドゲッコーは、ニューカレドニアという南太平洋の島国に生息する樹上性のヤモリです。ニューカレドニア本島南部の森林、およびパイン島と周辺の島々に分布しています。

ニューカレドニアは、熱帯雨林、乾燥した森林、サバンナなど、多様な生息地を持つ島です。クレステッドゲッコーは、これらの生息地すべてに生息していますが、特に熱帯雨林を好んでいます。

どんな体格や特徴があるのか

  • 体長:成体で約18〜23cm。メスよりもオスの方が大きくなる。
  • 体重:40〜50g
  • 寿命:一般的には約7~10年と言われていますが、中には15年以上生きる個体も珍しくありません。
  • 性格:警戒心が低く、攻撃性なし。大人しくのんびりしている。
  • 食性:雑食性で、昆虫や果物を食べる。

特徴は頭頂部から背中にかけて、王冠のような突起(クレスト)があり、眼球の周りにクレストが発達しており、これがまつ毛のように見える。

クレステッドゲッコーの飼育環境

必要なケージのサイズ

クレステッドゲッコーは、樹上性で夜行性のヤモリです。そのため、ケージは高さがあり、登れる場所がたくさんある必要があります。また、湿度を維持できる環境にすることも重要です。

  • サイズ

クレステッドゲッコーは生体になると約20cmほどになるので、最低でも幅30cm x 奥行き30cm x 高さ45cmが必要です。

  • 素材

クレステッドゲッコーのケージには、ガラス製、プラスチック製、木製のものがあります。

ガラス製ケージは、観察がしやすく、掃除も簡単です。

プラスチック製ケージは軽量で持ち運びやすいですが、傷つきやすいという欠点があります。

木製ケージは、見た目が自然で、湿度を維持しやすいという利点があります。

床材の選び方

ヤシガラマット

ヤシの実の繊維で作られた床材です。保温性と保湿性に優れており、安価で手に入りやすいという利点があります。しかし、カビやバクテリアが発生しやすいという欠点もあります。

ココピート

ヤシ殻を細かく砕いた床材です。ヤシガラマットよりも通気性と排水性に優れています。また、カビやバクテリアが発生しにくいという利点もあります。しかし、ヤシガラマットよりも高価です。

ハスクチップ

ココナッツの殻を細かく砕いた床材です。軽量で通気性も良く、ダニも発生しにくいというメリットがあります。ただし、保湿性が低いため、霧吹きなどで定期的に加湿する必要があります。

水苔

苔の一種です。湿度を保ちやすく、クレステッドゲッコーが隠れやすいという利点があります。しかし、カビやバクテリアが発生しやすいという欠点もあります。また、誤飲すると消化管を詰まらせる可能性があります。

ソイル

爬虫類専用の土です。保湿性と通気性のバランスが良く、クレステッドゲッコーにとって快適な環境を作ることができます。ただし、重たいのでケージの移動が大変になるというデメリットがあります。

キッチンペーパー

安価で手に入りやすく、掃除がしやすいという利点があります。しかし、保温性と保湿性に劣ります。また、誤飲すると消化管を詰まらせる可能性があります。

これらの床材を組み合わせて使用することもできます。例えば、ヤシガラマットとココピートを混ぜて使用すると、保温性、保湿性、通気性を兼ね備えた床材になります。

床材を選ぶ際は、クレステッドゲッコーの飼育環境や自分の好みを考慮して、最適なものを選びましょう。

水入れは必要か

クレステッドゲッコーは、夜行性で主に霧から水分補給をするため、水入れは必須ではありません。

しかし、水入れがあるとメリットはあります。

  • 脱皮の補助:脱皮時に水入れがあると、クレスが脱皮殻を柔らかくして剥がすのに役立ちます。
  • 湿度維持:水入れがあると、湿度を維持するのに役立ちます。特に、冬場や乾燥している地域では有効です。
  • 飲み水:一部のクレスは、霧からではなく水入れから飲むことを好みます。

クレステッドゲッコーの飼育方法

飼育環境の準備ができたら、飼育方法について解説します。

温度はどれくらい?

クレステッドゲッコーの適正温度は、22℃~28℃と言われています。

  • 昼間:25℃~28℃
  • 夜間:22℃~24℃

ただし、これはあくまで目安であり、個体や飼育環境によって多少異なります。

クレステッドゲッコーは暑さに弱いため、30℃を超えないように注意する必要があります。逆に、20℃以下になると活動が鈍くなり、体調を崩す可能性があります。

湿度はどれくらい?

  • 昼間:60~70%
  • 夜間:70~80%

湿度管理の方法

  • 霧吹き:1日に1~2回、飼育ケージ全体に霧吹きをします。霧吹きをする際は、クレステッドゲッコーに直接かからないように注意しましょう。
  • ウェットシェルター:ウェットシェルターを設置することで、湿度を維持することができます。ウェットシェルターには、水苔やスポンジなどを湿らせて入れておきます。
  • 植物:観葉植物を設置することで、湿度を維持することができます。植物からは、水分が蒸発するためです。
  • 加湿器:冬場など乾燥する時期には、加湿器を使用して湿度を上げることもできます。

餌の種類

クレステッドゲッコーは、昆虫食と果実食の雑食性です。

昆虫

  • コオロギ
  • デュビア
  • ハニーワーム
  • ミールワーム
  • シルクワーム

果実

  • マンゴー
  • パイナップル
  • バナナ
  • キウイ

人工フード

市販のクレステッドゲッコーフードは、栄養バランスが整っており、ペットとして飼育するクレステッドゲッコーにとって最適な主食です。

粉末状のものとペースト状のものがあります。粉末状のものは水と混ぜて与え、ペースト状のものはそのまま与えることができます。

サプリメント

クレステッドゲッコーは、カルシウムやビタミンD3などの栄養素を必要としています。そのため、昆虫や果物を与える際には、カルシウムパウダーやビタミンD3パウダーを振りかけて与えるようにしましょう。

注意点

クレステッドゲッコーは、消化器官が弱い動物です。そのため、与える昆虫や果実は新鮮なものにしましょう。

与える昆虫や果実は、クレステッドゲッコーの体の大きさに合わせて、小さくカットしましょう。

給餌頻度

クレステッドゲッコーの給餌頻度は、年齢や個体差によって大きく異なります。

ベビー(生後0ヶ月~6ヶ月)

  • 基本的には毎日給餌し、食べきれる量を与えます。
  • 体重の約10%程度を目安にしましょう。
  • コオロギやミルワームなどの昆虫を中心に、人工飼料を与えます。
  • カルシウムパウダーを週に2~3回程度、餌に振りかけて与えます。

ヤング・アダルト(生後7ヶ月~) 

  • 週に2~3回程度、食べきれる量を与えます。
  • 体重の約5%程度を目安にしましょう。
  • 人工飼料が主食となり、昆虫は副食として与えます。
  • カルシウムパウダーは週に1~2回程度、餌に振りかけて与えます。

給餌のポイント

  • 餌は新鮮なものを使用し、食べ残しはこまめに取り除きましょう。
  • 脱皮中は食欲が落ちるため、給餌を控えめにしましょう。
  • 個体によっては、肥満傾向にある場合があります。その場合は、給餌量を減らしたり、運動不足解消のためにケージ内を広くしたりする必要があります。

クレステッドゲッコーまとめ

クレステッドゲッコーは、比較的飼育しやすいペットとして人気があります。愛らしい見た目と穏やかな性格は、初心者の方にもおすすめです。

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