ニホンカナヘビは、日本の庭や公園で見かけることのできる身近な爬虫類です。その可愛らしい姿と素早い動きは、まるで小さな忍者のような魅力があります。
カナヘビの名前の由来については、はっきりとしたことはわからないが、諸説が2つあります。
- 「可愛いらしい蛇」の意味で「愛蛇(かなへび)」と呼んだという説
- 「金色の蛇」という意味で「かなへび」と読んだと言う説
今回はそんなニホンカナヘビの生態や初心者でもできる飼育方法・環境などを紹介していきます。
目次
ニホンカナヘビについて
ニホンカナヘビの生態についてまとめています。
生態
- 生息地
日本列島のほぼ全域に分布。日当たりの良い草原、農地、庭先、森林の縁など、比較的乾燥した場所を好む。
- 体長
成体は全長約15~25cm(尾が体長の約2/3を占める)
- 体色
茶色や灰色で、体の側面に縞模様がある個体が多い。
- 食性
小型の昆虫(コオロギ、アリ、ハエ、バッタ、クモ、ダンゴムシ)などを捕食します。
- 活動時期
春から秋にかけて日中に活動。冬は冬眠(地中や枯葉の下)
ニホンカナヘビの飼育環境
必要なケージの大きさ
大きさは横30cm×奥行30cm×高さ30cm程度のケージが必要です。
単独飼育の場合は横20cm程でも飼育可能です。
ガラス製・プラスチック製で通気性がよく、日光浴ができるよう、上部に網などがついているものがおすすめです。
床材・シェルターは必要
100円ショップやホームセンターに売っている赤玉土を使用しましょう。
ケージに床材と石・落ち葉を入れてあげるだけで寝床や隠れ家となり、落ち着いてくれます。
また流木などを入れて高さを出してあげることで登ったり、降りたりと運動不足解消につながります。
水入れ・エサ入れ
- 水入れ
基本的にお皿などなんでも大丈夫ですが、乗ってもひっくり返らない丈夫な入れ物に水を入れましょう
- エサ入れ
生き餌を与える場合は、そのままケージに入れておけば捕食してくれます。
食べた数を確認したい場合はレプタイルディッシュなどに入れると確認できます。
人工飼料や冷凍コオロギなどの場合はピンセットでつまんで与えましょう。
紫外線ライトまたは日光浴
カナヘビは変温動物で自身の体温を一定に保つことができません。気温や太陽光よって体温が変化させています。
日中は太陽で温められたコンクリートの上などでお腹を温め、体温や代謝を上げています。
飼育下でも同じような環境作りが求められます。
- 紫外線ライト
自然界では日光浴を通して紫外線(UVB)を摂取し、ビタミンD3を身体の中で合成しています。
ビタミンD3はカルシウムの吸収を促進し、骨格形成や健康な成長に不可欠です。
飼育下では日中6〜9時間程度、紫外線ライトを点灯させ、ニホンカナヘビがビタミンD3を合成できるように環境を整える必要があります。
紫外線ライト設置しない場合は、屋外にて日光浴をさせる必要があります。
ニホンカナヘビの飼育方法
飼育温度
カナヘビは日本産のトカゲのため、温度はそこまで気にする必要はないが、25℃前後が1番活発に動いている温度です。
温度が低すぎるとカナヘビの代謝が低下し、消化不良や免疫力の低下につながる可能性があります。
夜間15℃を下回ったから弱ってしまうことはないが、日中に身体を温められるような環境作りは必要です。
餌の種類
ニホンカナヘビは肉食性なので、昆虫食がメインとなります。
昆虫
- コオロギ
最も一般的で入手しやすい餌です。サイズに合ったものを与えましょう。
- ミルワーム
脂肪分が多く、成長期や産卵期の個体に適しています。
冷凍エサ
- 冷凍コオロギ
冷凍されており、与える前に解凍が必要。
人工飼料
「トカゲブランドフード」
「レオパブレンド」・「レオパドライ」
などなど、食べてくれる個体もいます。
人工飼料の場合は必要なカルシウムもとれるため、オススメです。
飼育下では偏ったエサになってしまうため、カルシウムが不足している場合が多いです。
飼育下ではカルシウム剤を適切に与えることが重要です。
爬虫類とカルシウムについて詳しく書いていますので、ぜひ見てください。
餌の頻度
- 幼体(全長5〜15cm)
毎日与えましょう。
コオロギだとSS〜Sサイズ
- 生体(全長15cm〜)
週に2〜3回与えましょう。
コオロギだとS〜Mサイズ
餌の量は頭の大きさと同じか少し多めに与えましょう。
ニホンカナヘビのまとめ
ニホンカナヘビは、適切な環境と世話をしてあげれば、比較的飼育しやすい爬虫類です。しかし、野生動物であることを忘れずに、自然に配慮した飼育を心がけましょう。
ニホンカナヘビまとめ
- 昼行性の昆虫食で小型トカゲ
- 幅20〜30cmのケージで飼育可能
- 床材、隠れ家、水・エサ入れが必要
- 紫外線ライト・日光浴が必要
- 飼育温度はおおよそ20〜30℃
- 寒い環境ではヒーターが必要
- 生き餌か冷凍餌か人工飼料を与えよう
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