ロシアリクガメは、正式にはホルスフィールドリクガメとも呼ばれ、足の指が4本あることから、ヨツユビリクガメという名前でも知られています。
初心者にも人気のリクガメですが、爬虫類なので、適切な環境を用意してあげる必要があります。
目次
ロシアリクガメについて
生態
- 大きさ
成体になると甲長は約28cmほどになります。
- 寿命
飼育下で20〜25年生きると言われています。
- 食性
主に植物の葉、花、果実などを食べる草食性です。
- 活動時間
昼間に活動し、太陽を浴び、夜は砂に潜って過ごす、昼行性です。
ロシアリクガメの飼育環境
ロシアリクガメ(ヨツユビリクガメ)を飼育するのに必要な物を解説していきます。
ケージのサイズ
野生のリクガメは餌や水を求めて1日に1〜2キロメートル歩くと言われています。
そのため、ケージは広くする必要があります。
高さはあまり必要とされていないため、脱走できない高さがあればいいでしょう。
- 幼体(甲長5~10cm)
単独飼育では横60cm、奥行き30cm
- 生体(甲長10cm〜)
単独飼育では横90cm、奥行き45cm
広いケージで飼育することが難しい場合は部屋やベランダで散歩させてあげるとストレス軽減や運動不足解消になります。
床材の選び方
野生下では、乾燥した砂漠、岩の多い地域にも生息しており、岩陰などで暑さをしのいだり、天敵から身を守ったりします。
- 赤玉土・鹿沼土
園芸用の土ですが、リクガメの床材として使用できますし、安価でホームセンターなどで手に入れられることから使う人が多い印象です。
- ヤシガラ
ヤシガラとは、ヤシの木の皮や実の繊維を砕いたもので、吸水すると保湿性が非常に高く維持でき、乾燥したままでも使用できます。
- くるみ殻
「デザートブレンド」、「ウォールナッツサンド」と呼ばれるくるみでできた乾燥系リクガメ用の床材があります。
天然素材のため、誤飲しても大丈夫とのことですが、野菜などの餌にひっつきやすいです。
餌場の床材は変えるなど、対処が必要です。
ライトの種類について
ロシアリクガメを飼育するには、以下の2種類のライトが必要です。
- バスキングライト
- 紫外線ライト
爬虫類初心者には分かりにくいライトの種類ですが、1つずつ解説していきます。
バスキングライトとは
野生下では日光浴をして体温を調整しています。飼育下でも、バスキングライトと呼ばれる専用の照明器具を設置することで、日光浴に近い環境を再現し、ロシアリクガメの健康維持に役立てることができます。
バスキングライトの役割
- 体温調節
ロシアリクガメは変温動物であり、外気温に合わせて体温を調整する必要があります。
バスキングライトから照射される熱は、ロシアリクガメが体温を上げるのに役立ちます。
- 消化促進
バスキングライトの熱は、ロシアリクガメの消化器官を活性化させ、消化を促進する効果があります。
- 繁殖行動の促進
バスキングライトは、ロシアリクガメの繁殖行動を促進する効果もあります。
紫外線ライトとは
ロシアリクガメにとって、紫外線ライトは健康維持に欠かせないものです。
自然界では日光浴を通して紫外線(UVB)にあたることで、ビタミンD3を合成しています。
ビタミンD3はカルシウムの吸収を促進し、骨格形成や健康な成長に不可欠です。
飼育下でも紫外線ライトを設置することで、ロシアリクガメがビタミンD3を合成できるように環境を整える必要があります。
適切な紫外線ライトを選ばないと、以下のような深刻な問題を引き起こす可能性があります。
くる病:カルシウム不足による骨格の変形
食欲不振:ビタミンD3不足による代謝異常
繁殖障害:カルシウム不足による卵の産卵や孵化への影響
免疫力低下:ビタミンD3不足による病気への抵抗力低下
爬虫類とカルシウムについてもぜひ見て下さい。
水入れは必要
乾燥した環境を好むリクガメですが、水分補給は非常に重要です。
水入れの重要性は下記の3つになります。
- 水分補給
餌から得る水分だけでは不十分な場合があり、水入れから直接水を飲みます。
- 湿度調整
水入れの水が蒸発することで、ケージ内の湿度を上げ、乾燥しすぎを防ぎます。
- 体温調整
水に浸かることで、体温を調整することができます。
水入れの選び方と設置場所
選び方と設置場所のポイントは3つあります。
- 安定性のある入れ物
- 浅くて広い入れ物
- バスキングスポット周囲に置く
入れ物自身が動いてしまうような容器ではなく、全身が浸かれて、リクガメがすぐに出れるような入れ物が必要です。
リクガメには水と認識させるためにも明るい場所かつ蒸発するような場所に設置しましょう。
ロシアリクガメの飼育方法
飼育環境の準備ができたら、飼育方法について解説します。
リクガメの飼育温度
ケージ内全体(日中)
- 温度:25〜35℃
- 目的:活動しやすい温度
バスキングスポット(ホットスポット)
- 温度:35〜37℃
- 目的:体温を上げる場所
夜間
- 温度:20〜25℃
日中のバスキングスポットは35℃で反対側は25℃以下にならないよう保温球などを使用しましょう。
夜間はバスキングスポットも切るため、ケージ全体が20〜25℃を維持する必要があります。
リクガメの飼育湿度
ロシアリクガメは、乾燥した環境を好むリクガメの一種です。そのため、ケージ内の湿度はやや低めに保つことが重要です。
しかし、乾燥させすぎるのではなく、土に潜って過ごす場合もあり、ある程度の湿度は必要かと考えます。
- 日中:30〜40%
- 夜間:40〜50%
餌の種類
ロシアリクガメは草食性のカメです。
主に葉っぱ・花・果物を食べており、自然下では様々な種類の野草をバランス良く摂取しています。
飼育下では以下の3種類になります。
野菜
主に繊維質が多くカルシウムが豊富なものを選ぶのが基本です。
- 小松菜
- チンゲンサイ
- オクラ
- モロヘイヤ
- 水菜
- レタス
などがあります。
実際に飼育していて、小松菜が栄養価や用意のしやすさからおすすめしています。
爬虫類と野菜についても書いていますので、ぜひ見てください。
果物
果物は週に1回程度、少量に抑えましょう。
果物は主食ではなく「おやつ」として考えましょう。
- りんご
- バナナ
- いちご
- スイカ
- メロン
- イチジク
などがあります。
人工飼料
人工飼料は、リクガメの栄養バランスを考え、必要な栄養素がバランスよく含まれているように作られています。
不足しがちな栄養を補うことができるため、普段の野菜や野草に混ぜて与えましょう。
給餌頻度
ロシアリクガメの給餌頻度は、年齢、季節、活動量などによって異なりますが、一般的には以下の通りです。
年齢 | 給餌頻度 | 餌の量 |
ベビー 生後1〜3ヶ月 | 1日2~3回 | 少量をこまめに |
幼体 生後3〜6ヶ月 | 1日1~2回 | 少量~適量 |
成体 生後6ヶ月〜 | 1日1回 | 適量 |
食欲や排泄物、体重を観察し、食べ過ぎや不足がないように調整する必要があります。
ロシアリクガメまとめ
ロシアリクガメは、飼育のしやすさ、扱いやすさ、そして長寿など、多くの魅力を持つペットです。
しかし、生き物を飼うということは、責任が伴います。しっかりと調べてから飼育を始めるようにしましょう。
まとめ
生体で30cm以下
昼行性・草食性で寿命は20年ほど
ケージは60cm以上の用意
床材、バスキング・紫外線ライトが必要
飼育温度は25〜37℃
飼育湿度は30〜40%
小松菜と人工飼料を、混ぜて与える
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