オカヤドカリは、近年ペットとして人気が高まっている小型の甲殻類です。クリッとした目が愛らしく、動きもゆっくりとしていて見ていて癒されます。また、飼育も比較的簡単で、初心者でも飼いやすいのも魅力です。
目次
オカヤドカリとは?
生息地はどこ?
オカヤドカリは、主に熱帯・亜熱帯の海岸地域に生息しています。
世界では、台湾以南のインドや太平洋諸島等に広く分布しており、日本では小笠原諸島や南西諸島を中心に、九州南部(大分県以南)や四国南部の一部地域でも見ることができます。
近年、地球温暖化の影響で、オカヤドカリの生息地が北上しているという報告もあります。
今後、オカヤドカリの分布がどのように変化していくのか、注目されています。
どんな体格や特徴があるのか
呼吸方法
- 鰓(えら)呼吸
鰓(えら)と呼ばれる呼吸器官を使って、水中の酸素を取り込みます。鰓は、腹部にある鰓室と呼ばれる空間にあります。オカヤドカリは、定期的に鰓室を海水で満たす必要があります。
- 皮膚呼吸
腹部にある皮膚で酸素を取り込み、二酸化炭素を排出します。皮膚呼吸をするためには、腹部が湿っていることが大切です。そのため、オカヤドカリは宿貝の中に少量の水を持っているのです。
体長
種類によって大きく異なるが、成体で殻長が約5cm、体長が約10cm程度のものが多い。
体色
青、緑、黄色、ピンクなど、様々な色鮮やかなオカヤドカリがいます。
体色は、環境や餌によって変化することもあります。
貝殻
生まれた時は柔らかい体ですが、成長するにつれて、空になった巻貝の殻を見つけて、自分の体に合わせて改造して使用します。
貝殻は、外敵から身を守る役割だけでなく、水分を保持する役割も果たしています。
食性
オカヤドカリは雑食性で、落ち葉や果物、動物の死骸などを食べます。夜行性で、夜になると活発に活動します。
鳴き声
貝殻の中で摩擦を起こすことで鳴き声を出すと言われています。
鳴き声は、種類や状況によって様々ですが、一般的には「キュッ」「ギュギュ」「ギギ」といった音が多いようです。
オカヤドカリの飼育環境
オカヤドカリのケージサイズは、飼育する個体数や種類によって異なりますが、最低でも30cm以上のものを用意する必要があります。
必要なケージのサイズ
- オカヤドカリ1匹
横幅30cm×高さ30cm×奥行き30cm
- オカヤドカリ3匹〜
横幅45cm×高さ30cm×奥行き30cm
- オカヤドカリ5匹〜
横幅60cm×45cm×45cm
目安なので、用意できる範囲で準備しましょう。
床材の選び方
オカヤドカリの床材として代表的なものは以下の3つです。
- サンゴ砂
最も一般的で入手しやすい床材です。
粒が細かく、オカヤドカリが潜りやすいのが特徴です。
サンゴ砂には、カルシウムが含まれているため、オカヤドカリの殻の形成を助ける効果もあります。
ただし、サンゴ砂は他の床材に比べて値段が高い傾向があります。
- ケイ砂
サンゴ砂よりも安価な床材です。
粒が大きいため、オカヤドカリが潜りにくいというデメリットがあります。
また、ケイ砂によっては、カルシウムが不足しているものもあります。
オカヤドカリを飼育する場合は、カルシウムが含まれているケイ砂を選ぶようにしましょう。
- ヤシガラ
近年、人気が高まっている床材です。
保湿性に優れており、カビやダニが発生しにくいのが特徴です。
また、ヤシガラには、天然のミネラルが含まれているため、オカヤドカリの健康に良い効果があります。
ただし、ヤシガラは分解されにくいというデメリットがあります。定期的に交換する必要があります。
床材の量
オカヤドカリは脱皮を砂の中で行います。
体がすべて隠れるくらいの深さの砂が必要です。
一般的には、オカヤドカリの体長の2~3倍の量の砂が推奨されています。
床材は湿っていないと、床材の中で空洞を作り、脱皮ができません。
水入れ・餌入れが必要
どんな水入れが良い?
水入れは、オカヤドカリがひっくり返せないような重たいものを使用しましょう。
水入れの縁が高すぎると、オカヤドカリが出入りできなくなるので注意が必要です。
水入れの中が滑るとストレスなので、小石やサンゴ片などを置いて、オカヤドカリが休憩できるようにしましょう。
水は毎日交換し、水温は20~28℃に保ち、定期的に掃除しましょう。
どんな餌入れが良い?
オカヤドカリの大きさに合ったものを選ぶ必要があります。小さすぎる餌入れだと、餌を食べにくくなります。
餌入れは、安定しているものを選ぶ必要があります。餌がこぼれると床材や水が汚れる可能性があります。
定期的に洗う必要があるため、洗いやすいものを選ぶと、衛生的に保つことができます。
オカヤドカリの飼育方法
温度はどれくらい?
適正温度
- 20~28℃
- 冬場は20℃以上、夏場は30℃以下
温度管理
- 冬場
室内の温度が20℃を下回る場合は、ヒーターを使って水槽内の温度を調整しましょう。
- 夏場
室温が30℃を超えないように、エアコンを使って調整しましょう。
湿度はどれくらい?
適性湿度
- 60~80%
湿度が低すぎると、脱水症状を起こしたり、殻が乾燥して死んでしまうことがあります。
逆に、湿度が高すぎると、カビやダニが発生しやすくなり、オカヤドカリにとって悪影響を及ぼす可能性があります。
餌の種類
オカヤドカリは雑食性なので、様々な種類の餌を与えられます。
必須栄養素
- たんぱく質
- 炭水化物
- 脂質
- ビタミン
- ミネラル
オカヤドカリが健康的に成長するには、このような栄養素が必要です。
これらの栄養素をバランスよく摂取できるよう、さまざまな餌を組み合わせて与えましょう。
動物性餌
- 魚介類:アジ、サバ、イカ、エビ、シラスなど
- 昆虫:コオロギ、ミールワーム、ゾウリムシなど
- 冷凍フード:冷凍魚介類、冷凍昆虫など
植物性餌
- 果物:リンゴ、バナナ、イチゴ、マンゴーなど
- 野菜:キャベツ、小松菜、ニンジン、カボチャなど
- 葉物:桑の葉、クワの実、アダンの実など
- 海藻:乾燥ワカメ、乾燥ノリなど
その他
- ドッグフード:小型犬用ドッグフード
- ザリガニフード
- オカヤドカリ専用フード
餌だけでなく、水槽の砂からも栄養を摂取しています。
そのため、水槽にはサンゴ砂などのカルシウムを多く含む砂を敷いてあげましょう。
注意点
- 人間用の食べ物は、塩分や糖分が多いので与えないでください。
- アボカド、ネギ、玉ねぎなどの刺激物は、与えないでください。
- オカヤドカリは共食いをします。餌を与える際は、複数のオカヤドカリが十分に食べられる量を与えましょう。
オカヤドカリのまとめ
オカヤドカリといえば、なんといってもクリクリと愛らしい瞳と、左右非対称の大きなハサミが特徴です。
特に、ハサミは餌をつかんだり、敵から身を守ったりと、様々な用途に使われ、見ていて飽きません。
最後に飼育について簡単にまとめてます。
飼育まとめ
- 水槽は30㎝以上がオススメ
- 床材は体長の2〜3倍入れ、湿らす
- 雑食性でなんでも食べる
- 温度は22〜28℃が良い
- 湿度は60〜80%が良い
- 水は海水と真水両方を用意
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