アカハライモリの生態や飼育方法について

アカハライモリは、日本固有の両生類で、ペットとして人気があります。成体になると体長約10cmと小型で、愛らしい顔立ちと鮮やかな赤色の腹部が特徴です。飼育も比較的簡単で、初心者でも飼いやすい生き物です。

アカハライモリの生態

生息地はどこ?

アカハライモリは、本州、四国、九州とその周辺の島嶼に分布する、日本固有のイモリです。

水田、池、川の淀みなど流れのない淡水中に生息しています。

近年では開発や環境汚染の影響で減少しているところが多い。

そのため、アカハライモリは、環境省のレッドリストにおいて「絶滅危惧II類(VU)」に指定されています。

どんな体格や特徴があるのか

  • 体長:10~15cm
  • 体重:4〜12g
  • 体色:背中側が黒褐色、腹側が鮮やかな赤色
  • 習性:水・陸と両方で生活できるが、水中で過ごしていることが多い
  • 食性:肉食性
  • 毒:皮膚から微量のテトロドトキシンという毒を出しているが、通常飼育している分には問題ない。
  • 再生能力

アカハライモリは、四肢や尾だけでなく、脳や心臓の一部、眼のレンズ(水晶体)や網膜など、体の様々な部分を失っても完全に再生できる驚異的な能力を持っています。しかも、一度きりではなく、生涯を通じて繰り返し再生することができるのです。

アカハライモリの飼育環境

必要なケージのサイズ

  • サイズ

成体1匹

幅30cm×奥行20cm×高さ20cm程度

成体2匹〜

幅45cm×奥行30cm×高さ20cm程度

ケージを選ぶ際はサイズだけでなく、注意点があります。

  • 通気性

アカハライモリは肺呼吸と皮膚呼吸の両方を 行うため、通気性の良いケージを選ぶ必要があります。

  • 脱走防止

アカハライモリは脱走することが得意なので、密閉できるケージを選ぶ必要があります。

  • 水深

水深は、アカハライモリの体長の半分程度が目安です。

  • 陸地

アカハライモリは陸地でも過ごせるので、陸地を作る必要があります。陸地の面積は、ケージ全体の3分の1程度を目安にしましょう。

床材の選び方

砂系

安価で手に入りやすく、水質を悪化させにくい。

メリット

  • アカハライモリが好むザラザラとした感触がある。
  • 水草を植えることができる。
  • ろ過機能がある。

デメリット

  • 細かい砂だと、イモリの目に悪影響を及ぼす可能性がある。
  • 軽い砂だと、イモリが掘ってしまい、水槽から脱走する可能性がある。

ソイル系

砂よりも保水性と排水性に優れている。

メリット

  • 植物を育てるのに適している。
  • バクテリアの繁殖がしやすく、水槽の立ち上げが早い
  • 見た目が自然で美しい

デメリット

  • 砂より高価。
  • 崩れやすいため、定期的にメンテナンスが必要。

苔系

見た目が自然で、イモリの隠れ家になる。

メリット

  • 苔は水質浄化作用がある。
  • 湿度を保つ効果がある。

デメリット

  • 育てるのに時間がかかる。
  • コケカビが発生しやすい。

レイアウトは何が必要?

  • 陸場

水深は5~10cm程度にし、陸場も設置します。陸場には、流木や石などを使い、イモリが休憩できるようにしましょう。

  • 隠れ家

シェルターと呼ばれる隠れ家を設置すると、イモリが安心して過ごせます。

  • 水草

水草はなくても問題ありませんが、あると水質浄化やイモリの隠れ家になります。アナカリスやウィローモスなどがおすすめです。

アカハライモリの飼育方法

アカハライモリは、温度管理、水質や餌、隠れ家など、様々なことに気を配って飼育する必要があります。

温度はどれくらい?

適温:20~25℃

低温には強いのですが、高温には弱いため、特に夏場は注意が必要です。30℃以上になると弱り始め、35℃以上になると死んでしまうこともあります。

餌の種類

アカハライモリは肉食性の両生類なので、主に動物性の餌を与えます。

  • 冷凍赤虫

最も一般的で栄養価も高い餌です。ピンセットで与えます。

  • イトミミズ

冷凍のものや乾燥したものがあります。赤虫よりも動きが遅いので、捕食が苦手なイモリにもおすすめです。

  • 餌用メダカ

動き回る餌なので、イモリの運動不足解消にも役立ちます。ただし、水質悪化の原因となるので、与えすぎには注意が必要です。

  • 人工飼料

近年では、アカハライモリ専用の人工飼料も販売されています。栄養バランスが整っているので、手軽に与えることができます。ただし、嗜好性や消化率は個体差があります。

  • その他

ワラジムシ:カルシウムが豊富なので、成長期や産卵期のイモリに与えると良いでしょう。

コオロギ:大きめの個体であれば、与えることができます。ただし、動きが速いので、イモリが捕まえられるように小さく切って与えましょう。

ゾウリムシ:稚魚の餌として与えます。

給餌頻度

アカハライモリの給餌頻度は、年齢によって異なります。

  • 幼生・幼体(成長期)
    • 1日1回、週4回以上が理想です。
    • 特に幼生は餌の消化が早いので、できるだけ多くの回数餌を与えましょう。
  • 成体
    • 週に2~3回程度で十分です。

アカハライモリが餌を食べない場合は、水温や水質を確認しましょう。

アカハライモリのまとめ

アカハライモリは、飼育が簡単で、愛らしいペットです。

ペットとして迎え入れる際には、アカハライモリの生態や飼育方法についてしっかりと理解した上で、責任を持って飼育しましょう。

飼育まとめ

  • 飼育には、水槽、陸地部分、水場が必要となる。
  • 水温は20~25℃、高温はダメ
  • 餌は、冷凍赤虫やイトミミズなどを与える。
  • 陸地部分は、コケや流木などを置いて、隠れ家を作ってあげる。
  • 定期的に水換えを行い、清潔な環境を保つ必要がある。

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