ヒョウモントカゲモドキ(別名:レオパードゲッコー)は、世界中で人気の高いペット用爬虫類です。穏やかで扱いやすく、愛らしい見た目と豊富な品種が魅力です。初心者でも比較的飼育しやすい人気の爬虫類です。
目次
ヒョウモントカゲモドキとは?
生息地はどこ?
ヒョウモントカゲモドキは、中央アジアから西アジア、アフガニスタン、インド、パキスタンなどに生息しています。
これらの地域は、乾燥した岩場、牧草地、砂漠などが多く、岩の下や地中に掘った穴などに住んでいます。
一般的にイメージされる砂漠ではなく、大小の岩や岩山が入り混じった岩礁地帯やなだらかな丘陵を作る荒れ地に生息しています。
植物といえば、乾燥に強い数種類程度の多肉植物が少しだけ見られます。
どんな体格や特徴があるのか
- 体長:20~25cm(成体)
オスの方がメスよりもやや大型で、頭幅も広い傾向がある
- 体重:約50~90g(成体)
- 尻尾:体長の約2分の1程、成体になると太くなり、栄養を蓄えることができる。
捕食者から逃れるために尻尾を自切することができます。自切した尻尾は再生しますが、元の形には戻りません。
- 寿命:約10年
- 食性:昆虫食
ヒョウモントカゲモドキ飼育環境
必要なケージのサイズ
ヒョウモントカゲモドキのケージのサイズは、成体の大きさや飼育数、レイアウトなどを考慮して選ぶ必要があります。
サイズ
成体のヒョウモントカゲモドキは、体長20~25cm程度になります。 ケージは1匹に対して、幅30cm×奥行30cm×高さ30cm以上を選ぶのが理想です。
素材
ガラスケージ、プラスチックケージ、木製ケージなどがあります。 ガラスケージは最も一般的ですが、プラスチックケージは軽量で持ち運びやすく、木製ケージは保温性に優れています。
床材の選び方
キッチンペーパー
- メリット:安価で入手しやすい、掃除が簡単
- デメリット:見た目が不自然、保温性や保湿性が低い、掘る行動ができない
ペットシーツ
- メリット:吸水性、消臭性に優れている、掃除が簡単
- デメリット:ヒョウモントカゲモドキの足裏に張り付きやすい、誤飲の危険性がある
砂
- メリット:自然な見た目、掘る行動ができる
- デメリット:粉塵が立ちやすく、誤飲の危険性がある、ダニが発生しやすい
ソイル
- メリット:保温性、保湿性に優れている、掘る行動ができる
- デメリット:ダニが発生しやすい、重い、掃除がやや面倒
ハスクチップ
- メリット:通気性、排水性に優れている、軽量、ダニが発生しにくい
- デメリット:やや高価、誤飲の危険性がある
おすすめの床材
- 幼体:キッチンペーパー、ペットシーツ
- 成体:ハスクチップ、ソイル
水入れは必要?
ヒョウモントカゲモドキは、野生ではあまり水を飲む必要はありません。
しかし、飼育下では、常に新鮮な水が用意されていることが重要です。水入れは浅く、溺れないようにする必要があります。
また、水入れは毎日掃除して、清潔に保つ必要があります。
水の飲み方は、水入れから直接飲む個体もいれば、霧吹きでついた水滴を舐める個体もいます。
十分な水分を摂取しているかどうかを確認するには、糞の状態を確認する必要があります。糞はしっかりと形が整っていて、水分を含んでいる必要があります。糞が乾燥している場合は、脱水症状を起こしている可能性があります。
シェルターは必要?
ヒョウモントカゲモドキは、夜行性の地上棲の爬虫類です。
そのため、野生下では岩や洞窟などの隠れ家を日中に利用して、捕食者から身を守ったり、体温を調節したりしています。
飼育下でも、シェルターを用意することは必須です。シェルターは、安心できる隠れ家を提供し、ストレスを軽減する役割を果たします。
シェルターは大きすぎると落ち着かないため、体全体がちょうど収まるサイズを選びましょう。
ヒョウモントカゲモドキ飼育方法
温度はどれくらい?
昼間25~32℃
夜間20~25℃
ケージ内に温度勾配を作り、体温調節できるようにすることが重要です。
20〜32℃を維持するために
- 冬場はヒーター
- 夏場はエアコン
一年を通して、ケージの1/3程度の範囲でパネルヒーターで底面加温しましょう。
腹部を温められる環境を作り、消化不良を防ぎましょう。
湿度はどれくらい?
一般的には、ヒョウモントカゲモドキにとって 30~50%の湿度が適切とされています。
しかし、季節や個体差によっても最適な湿度は変化するため、様子を見ながら調整することが重要です。
季節ごとのポイント
- 春・秋:比較的過ごしやすい季節ですが、朝晩の寒暖差が大きいため、湿度管理に注意が必要です。特に、朝晩の冷え込みが厳しい場合は、加湿が必要になることもあります。
- 夏:気温と湿度が高くなり、高温多湿になりやすいです。蒸れによる脱皮不全や体調不良を防ぐために、過剰な湿度に注意が必要です。ケージ内の換気を十分に行い、必要に応じて除湿を行うことも有効です。
- 冬:気温が低くなり、乾燥しやすい季節です。特に、冬場の乾燥はヒョウモントカゲモドキにとって過酷な環境となります。加湿が必要になることが多いですが、加湿しすぎると蒸れによる脱皮不全や体調不良の原因となるため、様子を見ながら調整が必要です。
餌の種類
ヒョウモントカゲモドキは昆虫食性の爬虫類です。
- 生き餌
コオロギ
ヒョウモントカゲモドキの最も一般的な餌です。栄養価が高く、多くの個体が好んで食べます。
デュビア
コオロギよりも栄養価が高く、脱走しにくいのが特徴です。
レッドローチ
デュビアよりも攻撃性が低く、ヒョウモントカゲモドキの幼体にも適しています。
ミルワーム
脂肪分が多く、与えすぎると肥満の原因になります。
ハニーワーム
ミルワームよりも脂肪分が少なく、カルシウムを多く含んでいます。
- 冷凍餌
冷凍コオロギ
生きた昆虫を与えるのが難しい場合は、冷凍昆虫を与えることもできます。冷凍昆虫を与える場合は、常温またはぬるま湯で解凍してから与えましょう。
- 人工飼料
ヒョウモントカゲモドキ専用の人工飼料も開発されています。
栄養バランスが整っており、保存もきくので便利です。
ただし、個体によっては人工飼料を食べてくれない場合もあります。
餌の昆虫は、カルシウムパウダーやビタミンD3パウダーをまぶしてから与える必要があります。
人工飼料にカルシウム等添加は必要ありません。
給餌頻度
ヒョウモントカゲモドキの給餌頻度は、年齢と体重によって異なります。
目安
- 幼体(体重5~20g):毎日
- ヤング(体重20~50g):2~3日に1回
- 成体(体重50g以上):3~5日に1回
給餌ポイント
- 栄養を蓄えている健康な固体は、1~2週間ぐらいは餌を与えなくても大丈夫です。
- 与えすぎると肥満になるので注意が必要です。
- 尻尾が太っている場合は、餌の量を減らしてください。
- 逆に、痩せている場合は、餌の量を増やしてください。
ヒョウモントカゲモドキのまとめ
ヒョウモントカゲモドキは、適切な飼育環境と愛情を注げば、生涯にわたって楽しめるペットです。
飼育を始める前にしっかりと準備をして、素敵な爬虫類ライフをお送りください。
飼育まとめ
- 飼育難易度:比較的に簡単
- 飼育スペース:成体であれば30cm×30cm×30cm程度のケージ
- 温度:昼間25~32℃、夜間20~25℃
- 湿度:30~50%
- 床材:ハスクチップ、ソイルなど
- 照明:夜行性のため必要なし
- 給餌:昆虫食(コオロギ、フタホシコオロギ、ミルワームなど)、週に2~3回
コメントを残す